クラブ・バロン*3

一枚のFAX用紙がある。2006年6月10日午後9時という印字が残っている。

〜心の旅に出たバロンのお話し〜 バロン   おとぎ草子 冒険奇談 〃綺談

プロローグ
豊かなアクエリアス川。いくつもの国の間を流れ、たどり着くのは美しい湖「ペールアクア」。湖ペールアクアのほとりには男爵バロンの領地が有りました。

バロンは毎日の公務をこなし、規律ある貴族としての生活をしていました。でも実は日々の生活に窮屈さをとても感じていたのです。そして1年前、投げやりに決めた婚約!

15 才から婚約相手を勧められ、その度にバロンは次から次へと相手の肖像画(見合い写真みたいなもの)も見ずに断りました。15才の頃はまだまだ遊びたい、夢も有る、やりたい事が色々、婚約という事を考える余地もなし。20才の頃は公務が楽しくなり、これも考える余地もなし。そして現在27才になり婚期も遅れ両親も意を決して婚約命令となりました。今まで紹介した婚約者候補は数知れず。というわけでこの様にあいなったのです。

本人も今回はかんしゃくを起こし面倒になり肖像画も見ずに適当に了解しました。そしていよいよ婚約成立!お相手は森の都カーモンドのプリンセスマーガレット。結婚準備の為、一週間前にプリンセスマーガレットは召使いのリボンや供を連れてアクエリアス川を渡り、美しい湖のほとりバロンの領地へ輿し入れしたのです。

さあ初めての対面の日です。この国(地方)では結婚式の日まで婚約者が顔を出す事は禁じられています。(ベールでかくしたら?)それをよい事にプリンセスマーガレットは召し使いリボンと入れ替わります。実は彼女も仕方なく両親に決められイヤイヤやって来たのです。

輿し入れの日からバロンも嫌われる様な事をわざとするわ、召し使いリボンはプリンセスの言う事を聞いて言われたとうり渋々バロンの対応をするのですが、出身が森の奥でなまりが有りました。そのまま方言で話せばよっぽど伝わるのに、丁ねい言葉とゴチャゴチャになって変な言葉使いに……そして貴族とは違う生活習慣がボロボロ出てしまい、バロンとプリンセスはそれぞれ「変だなあ?」と思いつつも、婚約がダメになる方へ脇目もふらずばく進。そしてまあ色々有ったのですが、いよいよ結婚式の3日前、婚約パーティーの日に、とうとうバロンは屋敷を飛び出し(逃げ出し)舟で湖へ。舟を無我夢中で漕いで湖の真ん中あたりの小島に着きました。

そこはフィールドグリーンの領地でした。島の人々は皆、若草色の服、帽子、くつ、手袋etc……何から何までこの色、一色。大昔、この島を湖の魔物から身を守る為、今も風習が残り続いているそうです。そして人々の言葉はこの地方の言葉でまったくわかりません。バロンは身振り、手振りで一生懸命話すのですが、いまいち伝わらず、疲れ果て、心の底から「何で伝わらないのだ、このトンチキめ!」と(以下数文字欠落)。

するとフィールドグリーンの1人が、口も動かさず「トンチキとは失礼な!」とバロンの頭の中に返事をしました。そうです、この国は、本当の言葉(たてまえなんてない)以外は通じない所だったのです。そういえば、バロンはフィールドグリーンに着いてから、いつもの公務の様に初めて会った人には「やあ始めまして」「良い天気ですね」「いい気分ですネ」っと儀礼上の挨拶から入ったので伝わらなかったのです。それからは本音でおしゃべりしました。はたから見るとまるで言語の違う者どうしがしゃべっているのですが……皆さんの国では「テレパシー」とでも言うのでしょうか? だから通じるのです。

このままではとてもトンチキで分かりずらいので、この後は通訳したかたちで進めてまいります。というわけでフィールドグリーンの人達は今から一族のプリンセスの婚約パーティーに行くというのです。皆、バロンを誘いました。「おめでたい日です。外国の方も是非参加して一緒に祝ってやって下さい」っと。そしてか供に行きました。さあ、夢のようにかざられた広場に着きました。皆楽しそうにダンスしています。バロンもダンスに加わりました。そこでバロンは一生懸命プリンセスを探しました。バロンの頭の中は彼女に聞きたい事がいっぱいで、もうグチャグチャです。


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